スイスの山奥に高層ホテルの構想、地元から反対の声も
(CNN) スイス・アルプスの小さな村に、高さ世界一のタワーホテルがそびえ立つ――。大胆な構想に、景観の変化を懸念する声が上がっている。
スイス南東部にある人口1000人のバルス。人間と同じ数の羊がすむといわれる、のどかな山村だ。
ここにガラス張りのタワーホテルを建設する計画が進んでいる。高さは381メートルで、米ニューヨークのエンパイア・ステート・ビルと同じ。西欧州のビルでは最も高く、ホテルとしては世界一になるという。
名前はバルスの郵便番号にちなんで「7132タワー」。総面積5万3000平方メートル、107の客室にレストランやギャラリー、プールなどを完備したホテルが、2019年に完成する計画だ。
この村で高級温泉施設「テルメ・バルス」を営むオーナーが世界各地の有名設計者からデザインを募り、米国の建築家トム・メイン氏が率いる設計事務所、モーフォシス・アーキテクツの案が選ばれた。
メイン氏は、環境に溶け込むよう建物の存在感をできるだけ抑え、周囲の景観を映し出すデザインにしたと主張する。
しかし審査結果が発表される前から、周囲に与える影響が懸念されてきた。
地元当局はホテル建設の是非を問う住民投票を実施する構えだ。その結果次第で、構想は一場の夢と化す可能性もある。