韓国への中国人観光客が激減、ミサイル配備に反発
香港(CNNMoney) 韓国観光公社は27日までに、中国からの観光客数が今年3月、40%の激減を記録したと報告した。
在韓米軍による高高度迎撃ミサイルシステム(THAAD=サード)の配備に反対する中国当局が全ての旅行代理店に先月、訪韓ツアーの販売を禁じたのが背景要因とみられる。中国は同ミサイルは地域の安定を脅かし緊張を高めるとして反発している。一方、韓国は北朝鮮のミサイルの脅威を削ぐのが配備の目的と主張している。
旅行業界のデータ分析企業によると、中国人観光客による4〜8泊の韓国旅行の予約件数は今年4〜6月期に前年同期比で28%減となった。
韓国を昨年訪れた中国人は800万人で、全体の約1700万人の中で大きな比率を占める。旅行先での多額の支出も歓迎されている。
中国人観光客の韓国回避は免税店の売り上げ減少にもつながり、財閥のロッテグループによると今年3月半ばから4月半ばの間の実績は前年同期比で40%落ち込んだ。通常なら中国人観光客の免税店での買い物は総額のうち最大で8割にも達するという。
中国人観光客は韓国に代わり東南アジア諸国に行き先を変えたともされている。
高高度迎撃ミサイルシステム問題をめぐる中韓間の摩擦が緩和する兆候もない。韓国国防省は26日、THAADの一部の装備品が配備先に到着したと発表。これに対し中国外務省は自らの権益を守るため必要な措置を断固として講じるとの立場を表明した。