朽ちていく「夢の国」、廃虚の遊園地を撮影 仏写真家に聞く

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廃墟の写真を通じて、見る人の想像力を解き放ちたいとベイロン氏は語る

廃墟の写真を通じて、見る人の想像力を解き放ちたいとベイロン氏は語る

――これまでに世界で撮影した廃虚の数は。

「数えたことはないが、200~250カ所ほどだと思う。何カ所を訪れたかはあまり気にしていない。1日に複数の場所を急いで回るよりは、1軒の古い邸宅をじっくり撮影したい。時間がないと、思うように楽しめない」

――あなたの考える廃虚写真の魅力とは。

「そうした場所に出会った場合は、過去をめぐる旅に出て、写真を見る人に途中で好きなように物語を紡いでもらうことを目標にしている。どうしてこの場所は放棄されたのか、持ち主には何が起きたのか、この部屋では過去に何が起きていたのかといった点について、見る人は自由に想像力を解き放つことができる」

――他の撮影地と比較して、奈良ドリームランドはどうだったか。

「廃園になった遊園地を探検できる経験はそうあるものではない。私が訪れる廃虚の中には非常に物悲しく陰鬱(いんうつ)な場所もあるが、今回はとても楽しく魔法のような体験だった」

――写真を見る人にはどのような反応を期待するか。

「私は最近、植物を撮ること、自然がどのようして支配を取り戻すのかを捉えることに集中するようになった。今回の作品舞台の背後には、自然がいかに強力か、人間がいなくなったときに自然がどれほど美しくなれるかを思い起こさせる力強いテーマが確実に存在する。我々はみな滅亡後の世界の光景に魅了されている。私の写真のどれを見ても、人間が地上から姿を消した後の世界の様子を垣間見ることができる。自分たちが今持っているものや目の前の時間を楽しむためには、そうした光景を少しだけ目撃することが必要なのかもしれない」

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