ブダペストを越えて――首都から日帰りの観光地5選 ハンガリー
(CNN) ハンガリーの首都ブダペストは確かに壮麗な場所だが、同国には首都以外にも数多くの見どころがある。
ブダペストで数日を過ごしても、その魅力の一端にわずかに触れられるかどうかといった程度だろう。だが、時間があれば電車やボート、バスに乗り、日帰りでこの小さな国をさらに探索してみる価値はある。
以下では、ハンガリー旅行でブダペスト以外にも旅程に加えるべき行き先5つを紹介する。
エステルゴム
エステルゴム大聖堂からの眺め
川を挟んでスロバキアに隣接するエステルゴム。ハンガリー最大の大聖堂を訪れるだけでも素晴らしい日帰り旅行になる。
大聖堂はドナウ川を望む岩がちな露頭の上に位置している。川や街並み、スロバキアまでを見渡す360度の眺めには旅費を払う価値が十二分にある。
ブダペストから電車やバスを使うことも可能だが、エステルゴムへの往来で最も情緒豊かなのはボートでの旅だ。
水中翼船での旅が続く時間は90分。心ゆくまで景色を堪能するつもりであれば、4時間ほどをかけて市街地に戻るボートを選ぼう。
センテンドレ
センテンドレはブダペストから列車でわずか1時間
センテンドレまではブダペストから列車でわずか1時間で行ける。このため、地元の人たちも観光客も日帰り旅行先として選ぶことが多い。
小さなかわいらしい町で、狭い通りに軒を連ねる家はワインレッドや赤褐色、パステルブルーに彩られている。その先にあるのは石畳の広場や白塗りの教会だ。
セルビア人コミュニティーの名残りをブラゴベステンスカ教会やセルビア正教博物館に見ることができる。
ブダペストからの各旅行先の位置
大きな売りは美術館やスタジオで、古い別荘や工場を改造した建物などに点在している。
センテンドレでは1920年代に美術関係者のコロニーが生まれ、以来、芸術の拠点として栄えてきた。
ビシェグラード
ビシェグラードでは13世紀の要塞からドナウベンドが見られる
ドナウ川の流れが向きを変える「ドナウベンド」はハンガリー有数の美しい場所だ。ドナウ川はここで南に曲がり、セルビアやクロアチアに注いでいく。
最も急激に曲がるのは、城を中心に小さくまとまった町ビシェグラードのあたりだ。ここでドナウ川は一度北上し、その後南へと流れを変える。
ビシェグラードの荘厳な要塞(ようさい)は13世紀にハンガリー王ベーラ4世が建設した。ドナウベンドを一望する眺めは素晴らしく、この町を訪れた際は必見だ。
高さ350メートルの丘の上にあり、タクシーを利用しても、木々の間の急な坂を徒歩で上ってもいい。城の胸壁からは一帯の丘や谷を望む素晴らしいパノラマが広がる。
丘のふもとの町そのものも魅力満載で、ルネサンス時代の宮殿跡や博物館を訪れることができる。
バラトンフレド
バラトン湖畔の町バラトンフレド
中欧で最大の湖、バラトン湖はブダペストから2時間以内の距離にあり、ときに「ハンガリーの海」とも呼ばれる。ターコイズ色の豊かな水をたたえており、夏になるとヨットやボートも姿を見せる。
湖の周囲には訪れるべき場所が数多くあるが、選択肢として群を抜いているのはバラトンフレドだ。
バラトンフレドはバラトン湖周辺のリゾート地として最古のものの一つ。新古典様式のホテルや博物館、湖畔のカフェがあり、古い時代の優雅さとウォーターフロント感覚が同居している。
ゲデレー
ハプスブルク朝の皇帝フランツ・ヨーゼフと妻エリザベートのお気に入りだったゲデレー宮殿
ハプスブルク王朝の豪奢(ごうしゃ)な雰囲気を味わいたければ、列車に乗ってブダペスト郊外のゲデレーに行こう。
目玉は皇帝フランツ・ヨーゼフと愛称「シシー」で知られる妻のエリザベートのお気に入りだったゲデレー宮殿だ。
ウィーンのシェーンブルン宮殿の豪華さには及ばないかもしれないが、絹の緞子(どんす)やクリスタルのシャンデリアを備えた金箔張りの部屋が数多くある。
時間を取って敷地を散策して、美しい彫像や植物園などを見るのを忘れずに。また、今日まで使われている劇場としては中欧最古の部類に入るバロック劇場も見どころだ。