ストーンヘンジ研究で新発見、巨石の正確な採掘場所が判明
ロンドン(CNN) 英イングランド南部ウィルトシャーにある古代の巨石遺跡「ストーンヘンジ」について、使用された岩石の採掘地と運搬の経緯に関する新たな研究結果が、このほど学会誌に掲載された。
研究にあたり、地質学者と考古学者12人が英国全域から集結。5000年前に作られ始めたとされるストーンヘンジのうち、比較的小さい岩の一部について、ウェールズ西部にある2つの石切り場から運んだものだということを突き止めた。
ストーンヘンジから240キロほども離れたこれらの石切り場からは、石でできたくさびなど岩石の採掘作業が行われていたことを示す揺るぎない証拠も見つかったという。
ストーンヘンジの巨石と石切り場の岩石を照合するため、研究チームは数百のサンプルを粉末状に砕き、X線による分析などを通じて科学的検証を行った。
巨石の起源を探る現地調査の様子/Adam Stanford/UCL/SRP/SOS
ストーンヘンジの巨石に含まれるブルーストーンと呼ばれる鉱物が、ウェールズ西部のプレセリ鉱山に由来するものであること自体は古くから知られていた。ただ厳密にどの石切り場で採掘されたかについては、1923年に著名な英国人地質学者が唱えた説と異なる結果が今回の研究で示された。
鉱山の北側で採掘されたこれらの岩は、地面の上を引きずる形でウェールズからイングランドへと運ばれていった公算が大きいと研究者らはみている。鉱山の南側の近くには川が流れているが、これを運搬に利用した可能性は低いようだ。
研究者らは今後、ウェールズの丘陵部とイングランドの平野部に暮らしていた古代人同士のつながりに焦点を当てたいとしている。またストーンヘンジの地中部分の構造を明らかにし、その起源を特定することにも意欲を示した。