地中海の下に「失われた大陸」発見、グリーンランドと同サイズ
(CNN) 地中海地域の地質を調べていた研究者らがこのほど、グリーンランドと同等の大きさを持つ失われた大陸が存在することを突き止めた。今月刊行の学会誌に論文が掲載されている。
「大アドリア大陸」と名付けられたこの大陸は2億年以上前に北アフリカから分裂したが、約1億4000万年前には南ヨーロッパの陸地の下へと沈み込んだ。かつて大西洋に存在し、海に沈んだとされる伝説上の巨大な島「アトランティス」とは異なるという。
地中海地域における山脈の形成の研究が、大アドリア大陸の発見につながった。同大陸が南ヨーロッパのプレートの下にのみ込まれる際、削り取られた上部の岩石がアルプス山脈やアペニン山脈のほかバルカン半島、ギリシャ、トルコの山岳地帯を形成したとみられる。
論文著者の蘭ユトレヒト大学のダウエ・ファンヒンスベルゲン教授によれば、現在この大陸の名残として認められるのはイタリア北部のトリノからアドリア海を経由してイタリア半島の「ブーツのかかと」に至るごく限られた地域にとどまる。
リゾート地として人気の高いこれらの地域について、ファンヒンスベルゲン教授は「そうとは気づかず、毎年大勢の観光客が失われた大陸の上で休暇を過ごしている」と述べた。
失われた大陸の存在が明らかになるのは今回が初めてではない。2017年1月には、研究チームがモーリシャス島の海底で超大陸「ゴンドワナ大陸」の一部とみられる大陸を発見したと発表した。ゴンドワナ大陸は2億年前に分裂を開始したとみられている。