ディズニーランドも人影まばら 客足遠のく香港
(CNN) ディズニーランドの園内は閑散として、乗り物の順番を待つ行列もない――。香港で続く反政府デモの影響で、現地の観光業界が大きな打撃を受けている。
取材班が訪れたのは夏の終わりの晴れた金曜日。まさに「ディズニーランド日和」だったが、園内の人影は少なかった。いつもなら30分待ちのアトラクションも待って数分。陽気な音楽に合わせてだれも乗らないティーカップが回り、ライドは貸し切り状態、ランチのテーブルも選び放題だ。
香港の陳茂波(ポール・チャン)財政官が今月更新したブログによると、6月から始まったデモの影響で、香港を訪れる観光客は昨年と比べて7月に5%減、8月には40%減となった。
ホテルの客室稼働率が半減したケースもあり、宿泊料金は40~70%下落。香港国際空港の8月の利用者数は昨年の同じ時期を12.4%下回った。
激しいデモは世界中のメディアで報じられた。主催側も新聞広告や空港の占拠を通し、積極的な発信を続けてきた。
その結果、十数カ国の政府が香港への渡航に注意を呼び掛け、旅行者の足はすっかり遠のいた。
空港当局によると、特に中国本土や東南アジア、台湾からの観光客が減っている。ツアー会社も香港を避け、上海ディズニーランドに客が流れているようだ。
ソーシャルメディアの投稿や現地の報道によれば、香港で人気を集めるもう1つのテーマパーク、オーシャンパークもこのところ、同じように閑散としている。
主要ホテルでは従業員が自宅待機を言い渡され、6月以降は飲食店の従業員少なくとも700人が職を失っているという。