台湾、香港と中国への渡航自粛を勧告 実業家の拘束受け
香港(CNN) 抗議デモが続く香港を経て中国本土へ渡航した台湾の実業家が、中国で拘束されていたことが分かり、台湾与党が香港や中国本土への渡航自粛を呼びかけた。
台湾の李孟居氏(43)は8月19日に香港から中国本土の深センに入った後に消息を絶ち、その2日後にジャカルタの空港で李氏と会うはずだった友人によって行方不明が伝えられた。友人によれば、李氏は中国本土へ渡航する前に、香港で抗議運動に参加していたという。
中国国務院台湾事務弁公室は11日、李氏が「中国国家の安全を揺るがしかねない犯罪行為」に関して取り調べを受けていることを確認した。
台湾の与党、進歩民主党の広報は、李氏が拘束されたことで香港や中国本土への渡航に対する市民の不安が高まったと述べ、「香港と中国は深刻な状況にあり、渡航は自粛する必要がある。もしも渡航しなければならない場合は、自らの安全に十分な注意を払い、常に友人や家族に居場所を知らせる必要がある」との声明を発表した。
李氏の拘束が、8月18日に香港で抗議運動に参加したことと関係があるのかどうかは現時点で分かっていない。友人によると、李氏は台湾の国連加盟を訴える団体の幹部だった。
しかし李氏が中国政府や中国共産党を声高に批判したことはなかったと友人は証言している。李氏はこれまで年に何回も、出張で中国を訪れていたという。
李氏の家族は中国政府に対し、拘束についての説明を求め、李氏は「普通の人」だったと訴えている。