大型クルーズ船、1回の周遊に必要な食料は?
他の大型クルーズ船も似たようなものだ。
「各船は、積み込みのスケジュールに応じて営業所に発注する。通常は積み込みを行う日の1~2週間前だが、かなり前に発注することもある」と説明するのは、MSCクルーズの食料・飲料調達担当ディレクター、エマニュエル・ラバレロ氏だ。MSCクルーズは、MSCメラビリアやMSCベリッシマ(どちらも乗客定員4500人以上の大型船)などのクルーズ船を運航している。
クルーズ船からの食料の発注は、過去の消費実績や、船上で提供される料理のメニューやサービスの準備に必要な品目のリストに基づいて行われる。
例えば、MSCベリッシマは、地中海で運航する時は、クルーズ前に食料の大半を母港であるイタリア・ジェノバで積み込む。1回のクルーズで積み込む食料と飲料は平均でトラック15台分(そのうち2台には新鮮な野菜・果物が積まれる)だ。
積み込み
「クルーズ中、生鮮食品は各寄港地で調達することがよくある。生鮮食品は保存可能期間が短く、保存温度にも制約があり、慎重に管理・提供を行う必要があるためだ」とラバレロ氏は言う。
「またクルーズの間、ゲストにいつでも完熟で食べ頃の野菜や果物を提供するため、同じ野菜や果物でも熟度の異なる複数の商品を購入するといった方法を取ることもある」(ラバレロ氏)