香港の航空会社、女性乗客に妊娠検査要求 サイパンの「出産旅行」対策で
香港(CNN) 香港の格安航空、香港エクスプレスのサイパン行きの便に搭乗した日本人女性が、搭乗前に妊娠していないことを証明する検査を受けさせられたと訴えている。同航空は、サイパンからの圧力があったことを認めて謝罪した。
香港発サイパン行きの便に搭乗した日本人女性(25)は、香港国際空港でチェックインした際に、飛行に適しているかどうかを診断する検査を受けるよう、係員から要求されたと訴えている。この中に妊娠検査が含まれていた。
女性は米紙ウォールストリート・ジャーナル(WSJ)の取材に対し、非常に屈辱的だったと振り返り、香港エクスプレスは体の大きさや体形が妊婦のように見える女性に対して検査を要求していることを示唆したと言い添えた。
同紙の報道によると、係員は女性をトイレに案内して妊娠検査薬を手渡し、陰性と確認されるまで搭乗させなかったとされる。
香港エクスプレスはCNNに寄せた声明で、「不快な思いをさせたことについておわびしたい」と謝罪。サイパンの当局から乗客に対する検査を強化するよう圧力をかけられていたとした上で、「米移民法がないがしろにされないための措置として、2019年2月から、サイパン行きの便で対策を講じた」と説明し、この慣行は直ちに停止して見直しを行っているとした。
サイパンは、生まれた子どもに米国の市民権を獲得させることを目的とした「出産旅行」の目的地として人気が上昇。これは主に、サイパンの移民政策が米本土と異なり、中国などからの観光客もビザなしで渡航できることに起因する。
ここ数年は出産旅行の影響で、サイパンを訪れた観光客から生まれた子どもの数が、住民から生まれた子どもの数を上回るようになっていた。こうした観光客は中国人が大部分を占める。