キャセイ航空、来年の運送能力縮小へ 香港デモ影響
香港(CNN Business) 香港を拠点にするキャセイパシフィック航空は21日までに、香港到着便の乗客数が今年11月、前年同月比で46%の激減を示したと報告した。
香港、中国両政府に対する住民の抗議デモが長引き、観光客らの足が遠のいていることなどが響いた。
子会社のキャセイドラゴン航空と合わせ、輸送した乗客数は前年同月比で9%減。需要の後退は4カ月連続となった。
この中でキャセイパシフィック航空は来年、提供座席数を1.4%削減する方針を発表。当初は3.1%増強する計画だった。同社の顧客担当などの最高責任者は香港証券取引所への提出書類の中で、輸送能力の縮小は長年の間で初めてともした。
同航空は今年、抗議デモなどの影響で厳しい経営環境に直面。今年8月には社員らの抗議デモ参加などが発覚して中国の国営メディアから激しい批判を受け、最高経営責任者(CEO)と最高顧客責任者が辞任する事態ともなっていた。
香港の航空会社と旅行業界の苦境はここ数カ月間、深刻さを増している。今後の景気予測も悲観的で、米中間の通商摩擦の影響もある。
今月には小規模な航空会社の香港航空の財務状況が悪化し、運航認可の取り消しにも遭遇しかねい局面となっている。また、香港国際空港の管理組織は最近、同空港を利用した乗客数が11月に前年同月比で16.2%減少したと報告した。約100万人相当の落ち込みに等しい。