英国人観光客、フランスから帰国ラッシュ コロナ対策の隔離再開で
ロンドン(CNN) 英政府の新型コロナウイルス感染対策として、フランスなどからの入国者に隔離を義務付ける措置が15日から再開された。これに先立ち、フランスを訪れていた英国人旅行者らが一斉に帰国の途に就いた。
英政府は13日、感染率が高いフランスとオランダ、モナコ、マルタ、カリブ海の英領タークス・カイコス諸島とオランダ領アルバ島から15日午前4時以降に到着する旅行者に対し、14日間の隔離を義務付けると発表した。
突然の発表を受けて、旅行中の英国人が一斉に予定を変更。帰りの列車や飛行機を確保しようと、競ってチケットを予約した。
英PAメディアによると、英仏海峡トンネルを走るカートレイン「ル・シャトル」は14日の時点で満席となった。隔離措置が発表された直後には、予約の問い合わせが通常の数百件から1万2000件に急増したという。
同トンネルを通る「ユーロスター」のチケットは350ポンド(約4万9000円)まで跳ね上がり、すぐに売り切れた。「政府がもっと早く予告してくれていたら」と不満を漏らす旅行者もいた。
空港のカウンターで列を作る人たち=14日、フランス・ビアリッツ空港/Bob Edme/AP
英国のシャップス運輸相は、新型ウイルス感染状況の最新データに基づいて決断を下したと述べた。14日時点の人口10万人当たりの感染者数は英国の17.3人に対し、フランスが34.0人、オランダが41.6人。
フランスの欧州問題担当相はツイッター上でこの決定に「失望感」を表明し、英国に対して同様の措置を取る構えを示した。
フランスは英国人旅行者の間でスペインに次ぐ人気を誇る目的地。スペインも最近、隔離の対象となった。イングランドでは隔離措置に違反した人に1000ポンドの罰金が科せられる。