住民の85%が同居、集合住宅内で6人感染 米アラスカ州
(CNN) 米アラスカ州内にある小さな居住地で住民の約85%が同居するという14階建ての集合住宅内で6人家族の新型コロナウイルスの集団感染が判明し、行政当局が隔離などの対応策に追われる事態となっている。
この居住地はウィッティアで、年間を通じた住民数は約280人。感染がわかった6人は全員が集合住宅「ベギーチ・タワーズ」で暮らしていた。
この建物は1950年代に米陸軍工科部隊が建設したもので、現在は分譲方式の集合住宅で計196戸がある。
地元の先住民組織の幹部によると、6人は直ちに隔離状態に置かれた。
ただ、住民のほとんどが同じ屋根の下で暮らす生活環境の中での隔離は困難を伴う。
地元の行政責任者はCNNの取材に、同タワーズの住民が共有している換気装置は劣化し、かろうじて機能している状態と説明。今回の騒ぎを受け、一部の住民は老朽化した建物内で換気装置をふさいだという。パニック状態は起きていないが、住民の間には緊張感が高まりつつあるとも指摘した。
この責任者は地元の議会に公共的な活動の一部制限を要請する方針だと表明。ホテル、バーやレストランで満室や満席を控え、対人距離などで10フィート(約3メートル)の間隔を確保し、収容能力の50%に抑える措置を図るだろうとも述べた。
ウィッティアには同州選出のリサ・マカウスキ連邦議会上院議員の助力で入手した米製薬企業「アボット」が手がけた迅速な結果が出る検査機器がある。この機器を使い、9月末までに全住民に無料の検査を提供するとした。
米ジョンズ・ホプキンス大学の集計によると、アラスカ州内の累計感染者数は今月12日の段階で少なくとも3879人で、死者は27人。