小さな町が旅行キャンペーン、クリス・ヘムズワースさん巻き込んで盛況 豪
(CNN) オーストラリア・ニューサウスウェールズ州の小さな町が始めた旅行キャンペーンが注目を集めている。ターゲットになったのはオーストラリア出身の俳優クリス・ヘムズワースさんだが、ヘムズワースさんは町が投稿した動画をSNSで共有するなど、実際に町を訪れる意欲を見せている。
ニューサウスウェールズ州の町カウラは過去5年にわたり、干ばつや新型コロナウイルス、ネズミの大量発生などに悩まされてきた。
観光部門の責任者グレン・デーリーさんが旅行客を呼び戻そうとして考え付いたのが、ヘムズワースさんに訴えようというものだった。ヘムズワースさんはオーストラリア出身で観光の親善大使を務めており、オーストラリアを旅行する様子をインスタグラムに投稿していた。
こうして「#GetChristoCowra」と呼ばれるキャンペーンは地元の観光審議会と住民からの賛同を得た。動画の中で、実際の住民や役者が演じたカウラの人々が、映画「マイティ・ソー」の主人公でヘムズワースさんが演じる「ソー」の格好をしてプラカードを掲げたり、巨大なヘムズワースさんの像の建造を計画したりしている。
デーリーさんは今回のキャンペーンについて冗談だったとしながらも、多くの地元の人たちが参加してくれて感激したと振り返った。
動画の撮影は6月に行ったが、ロックダウン(都市封鎖)が終わり、旅行の再開が始まるまで公開はできなかったという。
秘密にしていたことが実を結んだ。キャンペーン動画が先週国内メディアで公開されると、ネットやテレビで即座に注目を集めた。
しかし、最も大きな「勝利」はヘムズワースさん自身が動画をインスタグラムで共有したことだ。
ヘムズワースさんは「この素晴らしいキャンペーンを行ったカウラの人々に大きな愛を。心は温まり、笑顔になった」と投稿。撮影のためにオーストラリアを離れるけれど、来年戻ってきたらカウラを訪れるとも述べた。
ヘムズワースさんが来年、カウラを訪れるかどうかはわからないが、デーリーさんはキャンペーンがこれほどに広がったことに驚いている。
「今回のキャンペーンでカウラは国際的に地図にのった。これは小さな町にとって驚異的な出来事だ」(デーリーさん)