飛行60分の短距離路線にA380投入へ、シンガポール航空
(CNN) シンガポール航空は21日までに、欧州エアバス社製の総2階立ての巨大旅客機A380を11月から隣国マレーシアの首都クアラルンプールへの一部の便に投入する計画を明らかにした。
飛行時間は60分で、長距離路線への導入が主眼だったA380機が現在使用される旅客機便としては最短距離路線になるとみられている。
同航空はCNN Travelの取材に、11月4〜12月2日の間、106、105両便に週3度、同型機を使うと確認。同じく11月5〜12月3日の間、126、125両便で週4度運航するとした。
これらの措置は運航上の必要性から決めたとした。ただ、同社の国際市場担当の広報責任者は乗客にとってA380機が強い魅力を持つ機材であることは承知しているとし、運航再開の決定に作用したことを認めた。
同社はまた、11月半ばからは駐機が続く同型機をシンガポール、ロンドン間の帰路便に活用する計画を最近発表していた。
短距離路線にA380を条件付きで今秋投入するのはシンガポール航空が初めてではない。英ブリティッシュ・エアウェイズは11月初めから欧州の特定の目的地まで飛ばす方針を示した。行き先としてはドイツ・フランクフルトやスペイン・マドリードが浮上している。
エアバスは、受注不振などを理由にA380の製造中止に踏み切った。同型機をめぐっては現在、運航中止と使用継続を選ぶ航空会社に分かれている。