第2次世界大戦の勝利に貢献、英ロンドンの秘密の地下壕
40年の冬、チャーチル氏は地上階から潜入後、少なくとも5回は地下壕に宿泊した。だが、地下壕で働く大半のスタッフに対しては、自身の存在を隠していた。
チャーチル氏は幹部用食堂の質素なキャンプベッドで寝泊まりしたが、少なくとも生活には不自由していなかったという。公務員だったジョン・コルビル氏は、ダウン・ストリート駅の地下壕ではキャビア、ペリエ・ジュエのシャンパン、1865年製のブランデーをごちそうになったと日記に記している。
ロンドンの廃駅
2020年3月以降に初再開される「隠されたロンドンツアー」は、ダウン・ストリート駅を巡るツアーだけではない。ユーストン駅やムーアゲート駅の使われなくなったトンネル見学ツアーや、廃駅となったオルドウィッチ駅の探索ツアーなどもあり、それぞれの駅に独自の特徴と歴史がある。
最も有名なオルドウィッチ駅は、ロンドン大空襲の際に市民らの防空壕として使用されたほか、「ウィンストン・チャーチル/ヒトラーから世界を救った男」や「シャーロック」などの映画やテレビドラマの撮影にも使われた。
ダウン・ストリート駅のツアーが最も高額で、大人が85ポンド(約1万2700円)、コンセッションが80ポンド(約1万2000円)。ユーストン駅とオルドウィッチ駅のツアーは大人が41.50ポンド、コンセッション36.50ポンド。
ダウン・ストリート駅とユーストン駅のツアーは22年1月15日から2月13日までの特定日に行われ、ムーアゲート駅とオルドウィッチ駅のツアーは22年3月2日から27日までの特定日に実施される。