各大陸で最大の国立公園を紹介、ほとんどの国の国土面積より広い公園も
オーストラリア大陸
オーストラリア最大の自然保護区も新しい。面積3万6000平方キロメートルのムンガ・ティリ・シンプソン砂漠国立公園は、南オーストラリア州の北端部に位置する広陵とした美しい砂漠の景観を保護するために 2021年に指定された。
この公園には、世界最大級の砂丘地帯やアカシアの群生地帯、スピニフェックスが茂る草原、石膏(せっこう)の露頭、乾燥したプラヤ湖などがある。また、150種以上の鳥類のほか、小型有袋類 (その多くは夜行性)、ディンゴ、野生のラクダ、ペレンティ (オーストラリア最大のトカゲ) などが生息する乾燥地帯でもある。
現在、この公園には来訪者向けの施設や舗装された道路はない。個人でシンプソン砂漠に入る場合、荒野でのサバイバルに精通している必要がある。旅行会社アウトバック・スピリット・アドベンチャーズでは、メルセデス・ベンツ・Gクラスのワゴン車で巡る14日間のガイド付きツアーを提供している。 公園は極度の暑さのため、南半球が夏の間は閉鎖される。
アジア大陸
アジアは最大の大陸であるにもかかわらず、世界最大の国立公園を巡る争いでは他の大陸に先を越されている。
現在、アジア大陸最大の国立公園は21年に指定された中国の三江源国立自然保護区 (面積12万3100平方キロメートル) であり、揚子江、黄河、メコン川の源流域のチベット高原に位置する。
険しく人里離れた高地には、ユキヒョウやヒマラヤオオカミから野生のヤクやヤマジャコウジカに至るまで、さまざまな希少動物や絶滅危惧種、存続基盤が脆弱(ぜいじゃく)な動物種が生息、生育している。 園内には文化施設もある。
旅行会社エレベイテッド・トリップスは、三江源を含む青海省を巡るガイド付きツアーを提供している。
欧州大陸
他の多くの大陸と比較すると面積が狭いことから、欧州最大級の公園の多くはちっぽけに見えるかもしれない。だが、実際に小さいわけではない。
欧州で最も大きな公園は、アイスランドのバトナヨークトル国立公園(面積1万4141平方キロメートル)だ。この公園はアイスランドの地形的な特徴である「火と氷」を象徴する火山、温泉、フィヨルド、氷河のワンダーランドだ。個人でも(キャンプ、ハイキング、バードウォッチング)、ガイド付きツアーでも簡単に探検が楽しめる。