モルディブの高級リゾート、蚊がいない楽園の島実現へ 化学物質は一切使わず

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ソネバフシの水上コテージ/Sandro Bruecklmeier/Courtesy Soneva Fushi

ソネバフシの水上コテージ/Sandro Bruecklmeier/Courtesy Soneva Fushi

この害虫駆除プログラムは成功しているという。最初の1年で島の蚊の数が98%以上激減した。

「我々は捕獲した蚊を毎日数えたが、数が減るにつれて数えやすくなった」とオインズ氏。ソネバを毎年訪れる常連客からも肯定的なコメントを多くもらったという。

バイオジェンツのトラップシステムは、長期間使用しても効果が高く、蚊がこの方法に耐性を獲得する心配がないことが証明されている。また、化学物質の使用を中止して以来、モルディブ固有の虫類が再び繁栄している。

「花粉を運ぶ生物がたくさん戻ってきた。つまり、より多くの花、果物、農作物があることを意味している」とオインズ氏は話す。また、果物や虫が増えるということは「クンフナドゥの海岸を訪れる鳥も増えるということ。夜にはホタルが再び見られるようになった」と付け加えた。

生物多様性の促進、そして、そこにたどり着くために取り入れられた環境に優しく持続可能な方法は、同リゾートのルーツを考えれば納得がいく。ソネバフシは1995年、環境の持続可能性への先駆的な取り組みを掲げ、ソヌ・シブダサニとエバ・シブダサニ夫妻が開業。夫妻は、リサイクル、エネルギー節約、廃棄物の削減などの取り組みをこの地域でいち早く導入した。

現在もホスピタリティー業界で持続可能な高級リゾートの手本であり続けるソネバフシは、環境への取り組みとして、有害な化学物質を使用しない害虫駆除に加え、廃棄物ゼロの理念や革新的なサンゴ再生プログラムを重視している。

ソネバは、バイオジェンツと協力して環境に優しい蚊の駆除方法を導入することで、モルディブ初となる蚊がいない島を目指している。だが、自社のリゾートだけがそうなることを望んでいるわけではない。

ソネバは首都マレの国会議事堂にバイオジェンツのトラップを贈り、使用方法についてスタッフに研修を行った。

また、近隣のヌーヌ環礁にあるメドゥファル島のリゾート「ソネバジャニ」にもバイオジェンツのシステムを導入し、同様の成果を上げている。2024年初頭に開業予定の新リゾート「ソネバシークレット」にもトラップを設置し、数カ月にわたり蚊の数ゼロを記録している。

「新年には蚊がいないリゾートを開業できるのではないかと期待している」とオインズ氏は言う。「他のリゾートもこれに続いているという。モルディブ全土が同じようになれば素晴らしいことだ」

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