住宅の特価販売で地域活性化の町、第3弾は3ユーロで 伊シチリア

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過疎地の一部の住宅が象徴的な3ユーロで競売に掛けられる/Comune Sambuca

過疎地の一部の住宅が象徴的な3ユーロで競売に掛けられる/Comune Sambuca

大規模修繕が必要

1969年にサンブーカの近くのベリーチェ渓谷で地震が発生し、地元住民は避難を余儀なくされた。その結果、町の多くの住宅が空き家となり、サンブーカの当局はそれらの空き家の所有権を取得した。

そのおかげで、地元当局は住宅の所有者と購入者の仲介をする必要がなくなり、売却プロセスが大幅に迅速化した。

今回販売されるのは、1階建てか3階建て、1~3ベッドルーム、広さ50~80平米の石造りの住宅だ。多くの家は鍛鉄(たんてつ)のバルコニーを備え、中には小さなムーア様式の中庭がある家もある。

しかし、大半の家は大規模な修繕が必要で、家の中は忘れ去られた物や、壊れたほこりまみれの家具であふれている。

物件の状態にもよるが、シンプルな模様替えだけでも通常3万ユーロ(約520万円)以上の費用がかかる。また高級リトリート(隠れ家)に改装する予定であれば、その費用は20万ユーロ以上に跳ね上がる可能性もある。

高需要

サンブーカの以前の住宅特売は大成功を収めた/Comune Sambuca
サンブーカの以前の住宅特売は大成功を収めた/Comune Sambuca

これまで、このシチリアの人里離れた場所にある物件を購入した人の大半は米国人だ。そのため、サンブーカには「リトル・アメリカ」が誕生し、今や大半の住民がシチリアなまりの英語を話す。

またサンブーカの町役場は昨年、世界中のデジタルワーカーを呼び込むため、リモートワーキングスペースの開設、無料滞在の提供、路地全体のWiFi接続の強化などを行った。

今回、オークションにかけられる住宅は、最高入札者に売却される。落札者は封筒に入れられ、入札締め切り後に裁判官の前で開封される。

オークションの参加者は、保証金として5000ユーロを支払う必要がある。この5000ユーロは、落札に失敗した場合は即座に返金されるが、落札した場合は自動的に保証金となる。

この販売計画の規則によると、住宅の購入者は購入から3年以内に修繕を完了しなければならず、完了できない場合は保証金を失う可能性もある。

しかし、町役場は新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)の影響を考慮し、パンデミック中およびパンデミック後は、修繕完了までの期間を延長している。

これまで販売された住宅は、最終的に1ユーロから2万5000ユーロまでの価格で売却され、大半の住宅は5000ユーロから1万ユーロまでの価格で売れた。

住宅の購入に興味のある応募者は、サンブーカの町役場の公式ウェブサイトで購入可能な住宅の写真や説明を閲覧したり、申込書を入手したりできる。

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