深刻な水不足、観光産業が窮地に イタリア・シチリア島
アグリジェントのホテル連盟の責任者で、市中心部にホテルを所有するフランチェスコ・ピカレッラ氏は、効果のない(水道の)管理・運営を長年続けた結果、ここまで状況が悪化したと指摘する。2011年以降、水道ネットワークの再建について話し合われているが、ほとんど進展は見られないという。
またピカレッラ氏は、貯水池が干上がっているのは雨不足だけでなく、漏水も原因だと指摘する。
シチリア州政府がCNNのコメント要請に対して提示した報告書によると、同政府は、新たな井戸の掘削、パイプラインの追加建設、老朽化した海水淡水化プラントの再稼働を計画しているが、まだこれらの計画の実施に必要な資金をイタリア政府から受け取っていないという。
アグリジェントは、昨年3月に25年のイタリア文化首都に選ばれた。そのため、今年は観光客が押し寄せ、「黄金の年」になるはずだったが、今は逆に水危機に関する口コミによって観光シーズンが台無しになる恐れがある、と地元のB&B連盟は危機感を募らせる。
またアグリジェントでは、ちょうど観光客が増え始めたところだった。
ピカレッラ氏によると、23年には訪問者数が前年比で24%も増加したという。
またシチリア島の観光庁によると、昨年は山火事の影響で多くの旅行者が同島への旅行を延期したため、今年は訪問客が昨年から2%以上増加すると見込んでいたという。
ピカレッラ氏は、「人々はシチリア島に大きな関心を寄せている」とし、「この夏は、例年よりも多くの行楽客を見込んでおり、日々、前進する方法を見いだす必要がある」と付け加えた。