モンゴルの秘境ヒャルガス湖、アジアの辺境というより「まるでギリシャ」
バードウォッチャーの楽園
鳥愛好家にとって、特にケツーカドは特に魅力的だ。
世界的に絶滅の危機に瀕(ひん)している種が見られる。早朝に観察すると、ニシハイイロペリカン、インドガン、カンムリカイツブリ、カワウ、クロハゲワシ、チョウゲンボウなどを見ることができる。
渡り鳥は4月に湖にやって来て、9月中旬には再び飛び立つ。旅行者は、ケツーカドの崖の上にある丸くて大きなカワウの巣を訪れることができる。カワウはここで卵を産み、孵化(ふか)させる。
また、モンゴリアングレイリングやウグイなどの魚種も豊富で、鳥たちの格好の餌となっている。
オーバーツーリズム(観光公害)への抑制に?
ウランバートルからウブス県の県都ウランゴムまでは飛行機で行くことも可能だ。ウランゴムから湖まではわずか220キロ。いくつかの旅行会社が、湖への訪問を含むツアーを提供している。
ロシアとの国境に近いウブス県はモンゴル最大級の県であり、最も多様性に富んだ県の一つでもある。絵のように美しい湖だけでなく、雪に覆われた山々や乾燥した砂漠も見られる。
このモンゴル辺境の起伏に富んだ自然の中に身を置くと、この体験を、この夏に多くの人が訪れた過度に混雑した観光地と対比せずにはいられない。今夏は、スペインの町でビーチを占拠した観光客に罰金が科されたり、富士山を見ようと殺到した観光客に対する措置が取られたりといったニュースであふれていた。
モンゴルの秘境は決して簡単に行ける場所ではないが、世界の有名観光地に取って代わる選択肢となり得ることを思い出させてくれる。