銃乱射容疑者、ソーシャルメディアは使用せず 理由巡り論議も
一方、米非営利研究機関メディア心理学リサーチ・センターのパメラ・ラトレッジ博士は、同容疑者が現実社会でも孤立していた可能性を指摘する。同博士によると、孤立した状況ではストレスの悪影響が増幅され、精神に異常をきたす危険性が高まることが知られている。
ネットと精神保健との関係を研究しているロンドン大学ユニバーシティ・カレッジのトーマス・チャモロプレムジック博士は、同容疑者がネットを使わなかった理由を現時点で特定することはできないとしたうえで、孤立感やフェイスブックの趣旨への嫌悪感などが背後にあった可能性を指摘。「計画していた犯行以外で名を知られることは望んでいなかったのかもしれない」とも述べた。
ホームズ容疑者がネット上に足跡を残していなかったために、迷惑をこうむっている人もいる。容疑者と同じ名前を持つネット利用者たちだ。オーロラ市内でフィットネス・インストラクターの仕事をしている同姓同名の男性には非難のメールが殺到し、フェイスブックの「友達リクエスト」が400件以上も来たという。
同容疑者の内面を巡る疑問に答えは出ていないが、ラトレッジ博士は「少なくともひとつはっきりしたのは、ソーシャルメディアを利用するのが当たり前、利用しないのは異例とみなされる世の中になったということだ」と語った。