エジプトは同盟国でないとオバマ氏、政策転換か 大使館襲撃
(CNN) 米国のオバマ大統領は16日までに、大使館襲撃などの反米デモが多発するエジプトとの関係に触れ、「同盟国と見なしていないし、敵とも判断していない」との考えを示した。スペイン語テレビ局「テレムンド」との会見で表明した。
米政府はこれまで、エジプトを不安定要因が多い中東の安全保障戦略の要として重視してきただけに、大統領の今回の発言は大幅な政策転換を示すものと受け止められている。米国はエジプトが1979年、イスラエルと平和条約を締結後、エジプトに対し数十億米ドル単位の軍事、経済援助を与えて旧ムバラク政権などを支えてきた。
オバマ氏は会見で、エジプトについて「自らの道を模索する新たな政権がある。民主的に選ばれた政権である」と指摘。首都カイロの米大使館で11日に起きた反米デモ隊による米国旗破棄事件に触れ、エジプト政府の対応を見守るが大使館警護や館員保護で米国の要請に応じることを期待したいと語った。カイロなどでは11日以降も米大使館周辺で反米デモや機動隊との衝突が起きた。
イスラム組織「ムスリム同胞団」の出身であるエジプトのムルシ大統領による米大使館襲撃事件の非難声明が事件から1日後となり、その内容が穏やかだったことが米政府内の反発を買っていた。また、エジプト治安部隊が強く介入せずにデモ隊に大使館襲撃を許したことも批判の対象となった。
エジプトを含めた中東諸国では、ムハンマドを侮辱したとされる映画が米国で制作されたことへの抗議デモや大使館襲撃が相次いでいる。