イスラエル、ガザでの戦闘を再開 何が起きたのか
イスラエル、ガザに大規模な空爆
(CNN) パレスチナ自治区ガザ地区の保健省は、18日未明に行われたイスラエルの攻撃で、少なくとも210人が死亡したと明らかにした。イスラム組織ハマスとイスラエルの停戦合意の決裂は、数週間に及ぶ緊迫した交渉の末に起きた。イスラエル側はすでにガザへの電力を遮断し、人道支援を阻止していることから、ガザ住民の惨状はさらに拡大する恐れがある。
空爆はガザ全域で行われ、ガザ北部、中部、南部の病院から死傷者が報告されている。現地のCNN特派員は、北部ガザ市、南部ハンユニス、中部デイルアルバラなど複数の場所で空爆の音を耳にした。
ガザ保健省によると、少なくとも210人が死亡、数百人が負傷した。ガザの民間防衛隊は、多数の人々が「各地で爆撃された家のがれきの下に閉じ込められ」、死者には子どもも含まれていると語った。犠牲者はさらに増える可能性がある。
イスラエル軍と治安当局は、ガザのハマス拠点に対して「大規模な攻撃を行っている」と発表。カッツ国防相は「今夜、我々はガザでの戦闘に戻った」と宣言し、ネタニヤフ首相は、ハマスに対して「軍事力の増強」を約束した。両氏とも、ハマスが停戦合意の延長を拒否したと主張している。
イスラエル当局者はCNNに対し、攻撃は「必要な限り続け、空爆にとどまらず拡大する」と語った。また、イスラエルの国連大使は、人質がガザに残っている間は「容赦しない」と述べた。
ハマスはネタニヤフ氏と政権が停戦合意を一方的に覆すことを決定したと非難。ハマス指導者の一人は、空爆は人質に対する「死刑宣告」だと警告した。
米ホワイトハウスのレビット報道官は17日、攻撃に先立ち、トランプ政権はイスラエルから実施について知らされていたと明らかにした。
停戦は3段階で行われる予定で、第1段階は1月に始まり、3月1日に期限を迎えたが、ハマスとイスラエルは第2段階への移行方法について合意できていなかった。
ハマスは第2段階に入ることを望んでいた。第2段階では、イスラエル軍がガザから完全に撤退し、ハマスの拘束下にある生存している人質全員が解放される想定だった。一方でイスラエルは戦闘の終結や軍の撤退を約束せず、第1段階の延長を主張していた。