珍しいユキヒョウを4匹同時に撮影、保護活動家も興奮 パキスタン
ユキヒョウ4匹を捉えた貴重映像
イスラマバード(CNN) パキスタン北部でこのほど、めったに目撃されることのないユキヒョウ4匹が雪に覆われた崖を登っていく様子が撮影された。今回の動画撮影を受けて、自然保護活動家の間では興奮が広がっている。
ユキヒョウは野生では世界で最も見つけるのが難しい動物の一つで、4匹どころか1匹をカメラに収めることさえ困難だ。今回の動画は、パキスタンでの保護活動の成功例だとして称賛の声が上がっている。
人里離れた集落フーシェの猟場の番人で写真愛好家のサカワット・アリさんが今月13日に今回の動画を撮影した。世界第2位の高峰「K2」に近い中央カラコルム国立公園で2週間にわたってユキヒョウの足跡を追った末の出来事だった。
アリさんはCNNの取材に対し、4匹のユキヒョウは母親と3匹の子どもだと語った。
アリさんによれば、村人はユキヒョウを見慣れているものの、年長者でさえ、一度に4匹のユキヒョウを目撃したことはなかった。
アリさんは最初、母親を発見し、その後、足跡に気が付いた。自宅の屋上から双眼鏡で近くの崖を観察していたところ「幸運にも」ユキヒョウが一緒にいるのを目撃。カメラを持って急いで出発し、200メートル離れたところから撮影を行った。

中央カラコルム国立公園の雪に覆われた崖で目撃された4匹のユキヒョウ/Sakhawat Ali
アリさんによれば、近隣の住民は家畜が危険にさらされるかもしれないとの懸念を示しているものの、今回の目撃談を喜んでいるという。
ユキヒョウは、国際自然保護連合のレッドリストでは絶滅の恐れの高い「危急種(VU)」とされている。地元では「山の幽霊」として知られ、ギルギット・バルチスタン地域のカラコルム山脈に広がる自然の生息地にやすやすと溶け込むことができる。
パキスタン北部の岩だらけの地形はユキヒョウにとって世界最高の生息地だとする専門家もいる。
ユキヒョウはヒマラヤの高地にだけ生息している。生息範囲は中国やブータン、ネパール、インド、パキスタン、ロシア、モンゴルなど12カ国におよぶが、目撃されることは極めてまれだ。