提供したホットコーヒーで客が火傷、スタバに74億円支払い命令 米加州
ニューヨーク(CNN) 米カリフォルニア州の陪審は14日、コーヒーチェーン大手スターバックスに対し、配達運転手の男性1人への損害賠償金として5000万ドル(約74億円)を支払うよう命じた。男性はふたが確実にはまっていない高温の飲料で重い火傷(やけど)を負っていた。
2020年に同州の裁判所に提出された訴状によると、この男性はロサンゼルスのドライブスルーで飲料を受け取る際、「熱い飲料を膝(ひざ)にこぼしたため重度の火傷を負って痕が残り、性器の神経も損傷した」。訴訟では飲料のふたが確実にはまっていなかった点に言及し、スターバックスの義務違反を訴えている。
男性の弁護士によれば、当時男性は熱い飲料を3杯受け取ったがそのうちの1杯が容器の中にきちんと押し込まれていなかった。手渡される際、飲料が容器からこぼれ、男性の側に落ちたという。
男性の被った損害には肉体的な痛みや精神的苦痛が含まれる。その他、生きる喜びを失い、屈辱や不便を味わい、身体的な不自由や不安な感情にも悩まされたとしている。評決時の記録から明らかになった。
スターバックスは評決に対し控訴する予定だとしている。
同社の広報担当者は声明を出し、男性に同情はするものの、この事案について同社に落ち度があったとする陪審の判断には同意できないと述べた。その上で、命じられた賠償額は巨額すぎるとの認識を示した。
また店舗では最高度の安全基準を徹底しており、それには熱い飲料の手渡しも含まれるとした。
1994年のよく知られた別の訴訟では、ホットコーヒーが膝にこぼれて重い火傷を負ったとして女性がファストフード大手のマクドナルドを提訴。女性に当初認められた損害賠償額はおよそ300万ドルだった。