35年前に撮影されたお気に入りの写真、友人4人が休暇先で再現 米
(CNN) ジェニファー・カンドッティさんはクローゼットを整理していたとき、何十年も着ていなかったドレスを偶然見つけた。
ピンクと白の花柄の夏らしいコットンドレスは、1980年代後半、カンドッティさんが米バージニア州のリッチモンド大学に通っていた当時、お気に入りだったものだ。
現在、夫とスイスに暮らす米国人のカンドッティさんは、国外に引っ越す前に多くの服を寄付した。だが、たくさんの思い出が詰まったこの花柄のドレスは手放せなかったという。
「どこに行く時も持っていった」とカンドッティさんはCNN Travelに語った。
昨年、花柄のドレスを見つけたとき、カンドッティさんはすぐさま大学時代を思い出した。
大学のことを思い出すときはいつも、親友のロビン・クラークさん、ロビン・ギャリソンさん、アンジー・カラーノさんのことが思い浮かぶ。86年の後半、大学の学生寮「ローラ・ロビンズ・レジデンス・ホール」に入居した日に出会った友人たちだ。
「彼女たちは頼もしく、私のことを一番よく知っていて、一緒にいると18歳に戻ったような気分になる」(カンドッティさん)
カンドッティさんのお気に入りの大学時代の写真は、クラークさん、ギャリソンさん、カラーノさんと89年に撮影されたもので、カンドッティさんは花柄のドレスを着ている。サングラスをかけた4人は、ビールが入った青いソロカップを手にしながら、カメラに向かってほほ笑んでいる。
あれから35年以上の月日が経ったが、この写真は4人の友情の象徴であり続けている。4人はこの写真をそれぞれの自宅に飾っているほか、メッセージアプリ「WhatsApp」のプロフィル写真にも使用している。カラーノさんは結婚する際、他の3人にこの写真を郵送し、ブライズメイド(花嫁の付き添い役)になってくれるよう頼んだという。
この写真は、ずっと手元にあり「時の試練に耐えた」とクラークさんは語る。
4人の友情も時の試練に耐えた。カンドッティさんがクローゼットの奥からこのドレスを引っ張り出したとき、今や50代となった4人はイタリア東部のマルケ州へ休暇に出かけるところだった。
カンドッティさんはドレスの写真を友人たちにテキストで送り、スーツケースにドレスを詰め込んだ。
そして4人は、イタリア旅行で昔の写真を再現することを決めた。
過去を再現
4人で休暇に出かける時の楽しみの一つは、「大学1年生のときのように、同じ屋根の下で共に時間を過ごすこと」(カラーノさん)だ。
離れているときは、ビデオ通話をしたり、お薦めの本やレシピ、更年期を乗り切るためのアドバイスをテキストで送りあったりする。
だが、こうした毎年の休暇こそ、何十年にもわたる友情が今の自分たちを作り上げるうえで本当に重要だったということを思い出させてくれる。
「今は米国と欧州に散らばっているので、一緒に過ごすために少なくとも年に1回は旅行を計画している」(カンドッティさん)。2023年には英スコットランドのエディンバラを旅行し、24年はイタリアを訪れることにした。
イタリア旅行は、これまでで最も素晴らしい旅だったという。
「パスタの作り方を学んだり、オリーブオイルを試飲したり、近くの丘にある美しい町を旅したりして、1週間を過ごした」とカンドッティさんは回想した。

4人は昨年の夏、イタリアのマルケ州を旅行中にこの写真を再現した。カドッティさんは35年前と同じドレスを着る徹底ぶりだった/Courtesy Jennifer Candotti
だが4人にとって旅のハイライトは、大学時代の写真を再現することだった。
もちろんカンドッティさんは花柄のドレスに身を包んだ。他の3人は当時の服装に似た服を探し出した。ギャリソンさんは、欧州ではあまりなじみのない青いソロカップをイタリアに持ち込んだ。カップには大学の安いビールではなく、上質なイタリア製のワインを注いだ。
旅行に参加したカンドッティさんの夫が写真を撮り、ポーズの再現を手伝った。