反イスラム広告に対抗、宗教団体が「寛容」呼び掛け 米NY
ニューヨーク(CNN) 米ニューヨーク市内の地下鉄駅に、イスラム教徒のジハード(聖戦)を「打倒せよ」などと訴える広告が掲示されたことに対し、ユダヤ、キリスト教系の計3団体が宗教的寛容やイスラム教徒への支援を呼び掛ける新たなキャンペーンを開始した。
「反イスラム的」と批判されている問題の広告は、親イスラエルを掲げる右派団体「アメリカン・フリーダム・ディフェンス・イニシアチブ(AFDI)」が作成。「文明人と野蛮人の戦いでは、文明人を応援しよう。イスラエルを支援し、ジハードを打倒せよ」と書かれている。ニューヨークの交通当局は当初、広告の掲示拒否を決めたが、連邦裁判所は表現の自由を理由にこの決定を覆した。広告は市内400の地下鉄駅のうち、10駅に掲示されている。
これに対し、ユダヤ教聖職者らの人権擁護団体「ラバイズ・フォー・ヒューマンライツ(RHR)」が「イスラム教の隣人たちへの偏見をなくそう」「言葉と行為で平和を支持しよう」と呼び掛ける広告を作った。8日以降、地下鉄駅20カ所に掲示する。広告料は個人からの寄付でまかなう。
キリスト教系の「ソジャナーズ」も同日から、10カ所に広告を出す。AFDIの広告に近いスペースを確保したという。また「ユナイテッド・メソジスト・ウィメン」はすでにマンハッタン周辺に同様の広告を掲げている。
一方、AFDIは問題の広告について「憎悪でなく、愛に基づいた内容だ」と反論している。