米髄膜炎感染、死者12人に 原因の薬は1万3000人に注射か
(CNN) 米国で続発している非伝染性の真菌性髄膜炎による死者は10日までに12人、発症者は120人に上ったことが分かった。米疾病対策センター(CDC)によると、感染源とされる薬の注射を受けた患者は全米で1万3000人に上る可能性があるという。
CDCは9日、髄膜炎の死者が11人になったと発表した。この後フロリダ州保健当局から、同州で7月、同じ髄膜炎で70歳男性が死亡していたとの発表があった。
同州の発症者は6人で、死者が確認されたのは初めて。CDCによると、これまでに報告された患者数はテネシー州が最も多く、39人が発症、6人が死亡した。ミシガン州で3人、メリーランド州とバージニア州で各1人が死亡している。
CDCによると、感染源はマサチューセッツ州を本拠とする医薬品会社、ニューイングランド・コンパウンディング・センター(NECC)が製造した酢酸メチルプレドニゾロン薬で、5月21日~9月24日に1万3000人が同薬の注射を受けた可能性がある。同薬は米国内23州の医療機関75カ所に提供された。
汚染薬で感染した患者が発症するのは、注射の1~3週間後とされる。フロリダ州で死亡した男性は、薬の汚染が明らかになる前に発症した。米食品医薬品局(FDA)や各州当局の追跡調査が進むにつれ、患者数は今後さらに増える可能性がある。
通常の髄膜炎と同じ頭痛や吐き気などの症状に加え、真菌性髄膜炎ではめまいなどが現れることもある。治療が早いほど生存率は上がるという。
NECCは先週、問題の薬3ロット分の自主回収を発表。さらに6日、自社の他製品について、汚染の兆候はないものの念のためすべて自主回収すると発表した。同社はまた、FDAによる調査が終了するまでの間、自主的に操業許可を返上している。NECC工場の立ち入り検査は1日から始まり、未開封の容器から真菌が検出されている。