映画館乱射事件の惨状を警察官が証言、被告は無言 米コロラド
コロラド州センテニアル(CNN) 米コロラド州の映画館で昨年7月に起きた銃乱射事件で、殺人罪などに問われているジェームズ・ホームズ被告(25)の公判に向けた予備審問が7日、同州センテニアルの裁判所で開廷した。
ホームズ被告は昨年7月20日に劇場内で銃を乱射し、12人を殺害したとして、殺人や殺人未遂など166件の罪に問われている。予備審問は、公判に持ち込めるだけの証拠がそろっていることを裁判官に示す目的で開かれ、この日は検察側の証人として、現場に出動した警察官や現場検証や関係者の事情聴取を担当した捜査員などが出廷して証言した。
事件発生直後の現場に駆け付けた同州オーロラ警察の警察官ジャスティン・グリズル氏は、劇場内の床に血だまりができ、重傷を負った被害者が何人も倒れ、携帯電話が鳴り続ける惨状を目の当たりにしたと証言した。
グリズル氏は重傷を負った被害者数人をパトカーに乗せて病院に搬送。しかし途中で1人の男性が「自分も頭部を撃たれていたのに、娘のところへ戻ってほしいと頼み続け、パトカーのドアを開けて飛び降りようとした」と証言し、涙をぬぐった。グリズル氏は男性が飛び降りないよう、肩を抱きかかえながら運転を続けたという。
この男性の6歳の娘は4発の銃弾を浴びて死亡。妊娠していた妻は流産し、下半身まひなどの症状が残った。