ボストン爆破テロ被告の拘束時の写真公開、血だらけの姿も 米誌
(CNN) 米ボストン・マラソンの爆破テロ事件で殺人などの罪に問われているジョハル・ツァルナエフ被告が身柄を拘束された時の写真がこのほど、地元誌ボストン・マガジンのサイトに掲載された。撮影した警察カメラマンが同誌に提供した。
写真には、民家裏のボートに身を潜めていたツァルナエフ被告が姿を現し、拘束された場面が写っている。被告の顔や腕は血だらけで、警官が向けた銃の照準を示すレーザーの光に青ざめた肌が浮かび上がっている。武器を持っていないことを示そうとしたのか、シャツをまくり上げている写真もある。
撮影したのはマサチューセッツ州警察のショーン・マーフィー巡査部長。米誌ローリング・ストーンが今月、ツァルナエフ被告の写真を表紙に使ったことに抗議するため、未公開の写真を提供したと説明している。
ローリング・ストーンの表紙には「爆破犯」「怪物」という文字とともに、落ち着いた表情をみせる同被告の顔が大きく掲載されて物議を醸した。インターネットのソーシャルメディアなどで非難が集中し、店頭に並べることを拒否する店も出た。マーフィー氏はこの表紙を、被害者遺族らへの侮辱だと非難し、「この男は悪者。こちらの写真が真の姿だ」と話している。
ボストン・マガジンのジョン・ウルフソン編集長は、同様の写真があと数百枚あり、9月号で公開する予定だと語った。同編集長によれば、マーフィー氏にも葛藤(かっとう)はあったものの、ローリング・ストーンの表紙写真が遺族の感情を傷付けたり模倣犯をあおる結果を招いたりすることを懸念し、新写真の提供に踏み切ったという。
州警察の報道官は、警察としては写真の公開を認めていないと述べ、近くマーフィー氏の処分が検討されることを明らかにした。