100万人が署名、公民権法違反での訴追求め 黒人少年射殺
(CNN) 米フロリダ州でアフリカ系の少年を射殺した元自警団の男性を人種差別に基づく憎悪犯罪などを禁じた公民権法に基づいて裁くべきだとする請願書に、100万人の署名が集まっていることが17日までに分かった。
この事件で殺人罪に問われたジョージ・ジマーマン元被告は、13日に無罪の評決を受けた。これに対して全米各地で抗議デモが相次ぎ、インターネット上でも署名運動が展開されている。
全米黒人地位向上協会(NAACP)は「事件では公民権の基本である生存権が侵害された」として、ジマーマン元被告を公民権法違反で訴追するよう、米司法省に求めている。
請願書は無罪評決直後の13日夜にNAACPのウェブサイトで公開された。政治活動サイト「ムーブオン」に掲載された請願書と合わせ、これまでに計100万人が署名したという。NAACPのブロック会長は「先日のような無罪評決を下す司法制度にはうんざりだという米国民の心情が、請願書への支持に表れている」と話す。
ただ、裁判で人種差別に基づく犯行だったことを証明するのは相当難しいとの指摘もある。殺人罪で無罪評決を下した陪審団の1人は、人種差別が要因ではなかったとの印象を受けたと話している。
ホワイトハウスのウェブサイト上に掲載された同様の請願書は、署名人数が2万5000人にとどまっている。ホワイトハウスに取り上げてもらうためには、少なくとも10万人分の署名を集める必要がある。
オバマ米大統領は米国民に冷静な対応を求める声明を出したが、憎悪犯罪での訴追の是非については立場を表明していない。