中東配備の米兵「危険手当」、廃止を見直し 地域情勢急変で
(CNN) 米国防総省当局者は1日までに、検討を進めてきた中東やペルシャ湾諸国の一部に配置される米軍兵士の「危険手当」の廃止をここ数週間のエジプト情勢の急変などを受け見直していることを明らかにした。
危険手当の中止は米政府支出の強制削減を受け、国防総省が経費節約の一環として計画していた。手当は一部の中東やペルシャ湾諸国で活動する全兵士に過去数年間支給されていたもので月額約225ドル(約2万2100円)、1日当たり7.5ドル。廃止で年間約1億2000万ドルの削減が可能と見込んでいた。
手当中止が想定されていた米軍兵士が配置される国は、シナイ半島を除くエジプト、バーレーン、クウェート、カタール、ヨルダンにサウジアラビア。これに、アラビア湾、アデン湾、オマーン湾や紅海の陸地、海上や空域で任務遂行に当たる兵士も含まれていた。
アフガニスタン軍事作戦に従事する兵士への危険手当は維持される。
国防総省当局者によると、手当廃止の再検討は特にムルシ前大統領派と反対派の衝突が高まるエジプト情勢を踏まえている。
国防総省はまた、エジプトの政情混乱を受け同国と今年9月に計画している合同軍事演習を予定通り実施するかどうかの是非も検討している。米軍は同演習に数千人規模の兵士や航空機、地上配備型の兵器を動員する予定。演習実施は現時点で予定行事の中に依然織り込まれているが、別の国防総省当局者は演習の見直しは確実との見方を示した。