米カリフォルニア州でポリオに似た疾患、子ども5人に症状
(CNN) 米カリフォルニア州で、30年以上前に根絶されたポリオのようなマヒ症状を引き起こす「ポリオ様症候群」を子ども数人が発症し、専門家が情報提供を呼びかけている。
専門家によると、2012年8月から13年7月にかけて、小児患者5人に手や足のマヒが確認された。5人ともポリオワクチンの接種は受けていたといい、治療を受けても運動機能は回復しなかった。
カリフォルニア大学の専門家によれば、このうち2人からは、重い呼吸器系の疾患を引き起こす「エンテロウイルス68」の陽性反応が出た。残る3人についてはまだはっきりした検査結果が出ていないという。
研究チームはこの症例について4月に開かれる米神経学会の年次会合で報告する予定。医療関係者に対し、同じような症状を発症している患者がいれば情報を提供してほしいと呼びかけている。
カリフォルニア州の公衆衛生当局は、マヒ症状については報告を受けて調査を進めているとしながらも、患者の家族が危険にさらされる可能性は極めて低いと述べ、「現時点で公衆衛生上の懸念を生じさせるものは何もない」と強調した。
ポリオウイルスは米国では30年以上前に根絶された。世界保健機関(WHO)によると、今も根絶されていないのはアフガニスタン、パキスタン、ナイジェリアの3カ国にとどまる。