2人目のMERS感染者を確認 米
(CNN) 米疾病対策センター(CDC)は12日、米国で2人目となる中東呼吸器症候群(MERS)ウイルスの感染者を確認したと発表した。CDCとフロリダ州衛生局が調査に当たっている。
CDCによると、2人目の感染者はサウジアラビア在住の医療従事者(44)で、5月1日に同国のジッダを発ち、英ロンドンを経由して米国に入国。ジッダを発った時点からずっと発熱や悪寒、軽いせきなどの症状があり、8日にフロリダ州オーランドの病院を受診して、MERSウイルス感染が確認された。
病院によると、現在の容体は安定しており、快方に向かっているという。
米国には家族に会うために滞在しており、州当局によればオーランドのテーマパークなどは訪れていなかった。
米国では今月、インディアナ州で初の感染者が確認されていた。この患者もサウジアラビアで働いていた米国人の医療従事者で、家族に会うために一時帰国中だった。病院は9日に退院し、現在は自宅で隔離されているという。
CDCによると、この2人の症例の間に関係はなく、「一般にとっての危険は極めて低い」とされる。MERSウイルスは人から人に感染する場合もあるが、例えば感染者の看護をするなど緊密な接触があった場合に限られるという。
インディアナ州の患者の場合、米国内外で接触のあった500人以上に当局が連絡を取り、検査を行っているが、これまでのところ新たな症例は確認されていない。
CDCは世界保健機関(WHO)と連携し、サウジアラビアに専門家を派遣した。
MERSは2011年に発見され、12年にアラビア半島で患者が確認された。9日時点で、17カ国で538人の症例が確認され、このうち145人が死亡している。