解放された米兵の家族に脅迫 脱走兵疑惑も
解放された米兵に脅迫
(CNN) アフガニスタンで反政府武装勢力タリバーンに拘束され、約5年ぶりに解放された米陸軍のボウ・バーグダル軍曹の家族が、複数の脅迫の標的となっていることが分かった。米連邦捜査局(FBI)の報道官が7日、CNNに語った。一方、同軍曹はもともと自身の意思で脱走したとの疑惑も浮上している。
同報道官は「州や地元当局と協力態勢を取り、それぞれの脅迫を深刻に受け止めている」と述べたが、具体的な内容などは明らかにしなかった。
バーグダル軍曹は2009年6月、派遣先のアフガンで行方不明となった。同じ小隊に所属していたという元軍曹は7日、CNNとのインタビューで、「失踪したバーグダル軍曹を捜索するための作戦で死傷者が出た」と述べた。
09年9月にアフガンで死亡した少尉の母親も同日、CNNに「息子たちはバーグダル軍曹の捜索中だったと元同僚たちに聞いた」「軍当局からは説明がない」と訴えた。
バーグダル軍曹が5月31日に解放されてから、CNNには失踪当時の捜索作戦に参加したという複数の兵士らから、「同軍曹は脱走兵だった」「作戦で少なくとも6人が死亡した」といった情報が寄せられている。元同僚の1人は捜索中の死者が6人に上ったとして、全員の実名を示した。
同軍曹の失踪直後に陸軍が実施した調査で、自発的な脱走と断定されていたとの情報もある。
これに対してヘーゲル米国防長官は、「本人にも説明の機会を与えなければ不公平。裁判で双方の証言を聞き、法に基づいて対処するべきだ」と述べた。
捜索作戦で死者が出たとの主張について、米当局者らは「今のところ裏付けとなる証拠はない」と話している。