米下院、大統領を権力乱用で提訴できる決議可決 共和党主導

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米下院、大統領を権力乱用で提訴できる決議可決

(CNN) 野党・共和党が多数派の米連邦議会下院は30日、オバマ大統領が議会や憲法を無視して大統領権限の行使を多用しているとしてベイナー下院議長に大統領提訴を認める権限付与の決議を可決した。

決議をめぐる投票では賛成が225、反対が201。決議支持に転じた民主党議員はおらず、共和党では5議員が反対票を投じた。

大統領が実際に連邦裁判所に提訴される事態となれば米政界では極めて異例。ただ、提訴に至る日程表などはあいまいで、多数の法律専門家は提訴を受理する裁判官が現れることも疑問視もしている。

米国では11月に中間選挙が予定され、今回の決議は選挙をにらみ民主党政権への批判を煽る共和党の政治的な戦術との見方が出ている。

共和党は、オバマ氏は大統領権限を悪用し、本来は議会の専任職務である法律作成や改変を命じていると主張。大統領が主導した医療保険制度改革法はこの典型的な例として権力乱用を立証したいとしている。共和党は当初から、同法に反対している。

一方、民主党は、共和党は最終的に大統領弾劾を狙っていると主張。ベイナー議長は弾劾の計画は現在も将来もないとし、ホワイトハウスが仕掛ける政治的詐欺と反論した。

オバマ大統領は30日、訪問先の米ミズーリ州カンザスシティーで今回の決議に触れ、議員が夏季休暇で8月にワシントンを離れる時期に行われたことに言及し、共和党の政治的な思惑が絡んでいると批判した。

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