エボラ熱、米国で2人目の陽性反応 ダラスの病院スタッフ
(CNN) 米テキサス州保健当局は15日、同州ダラスの病院でエボラ出血熱の患者を担当した医療スタッフが、エボラ熱ウイルスの陽性反応を示したと発表した。同じ病院ですでに看護師1人が感染している。
新たな患者は14日に発熱し、ただちに隔離された。同日夜に州都オースティンの公共衛生研究所が1次検査を行い、深夜に陽性の結果が出た。2次検査は米疾病対策センター(CDC)が実施する。
保健当局者が患者からの聞き取り調査で接触相手を特定し、接触内容に応じて監視する。患者は症状が出てから1日以内に隔離されたため、監視対象者は少数にとどまる可能性が高い。エボラ熱は発症前には感染しないことが分かっている。
米国内でエボラ熱に感染した患者は2人目となる。この病院では先週、米国滞在中に発症したリベリア人の患者が死亡した。1人目の看護師も新たに陽性反応を示したスタッフも、亡くなった患者を担当していた。
全米看護師連合(NNU)のデモロ事務局長は14日、同病院のエボラ熱治療体制について「指針が絶えず変更されていた。決まった手順はなかった」と指摘。「私たちが知る限り、全米のほかの病院でも手順は設定されていない」として、強い危機感を示した。
事情に詳しい当局者は、そもそもリベリア人患者をこの病院に収容したのが間違いだったと主張。米国内でエボラ熱のように感染力の強い伝染病への対応が確立している病院は、ジョージア州アトランタのエモリー大学病院など4カ所に限定されることから、これらの病院へただちに移送するべきだったとの見方を示した。