ホワイトハウス侵入事件、警備員が携帯話し中で対応に遅れ
ワシントン(CNN) 米ホワイトハウスで9月に男が侵入して本館に駆け込んだ事件は、警備員が携帯電話で話し中で対応が遅れるなどの不手際が重なって起きていたことが、米国土安全保障省が13日に公表した報告書で明らかになった。
シークレットサービスの長官だったジュリア・ピアソン氏はこの事件の責任を取る形で辞任に追い込まれている。
オマル・ゴンザレス容疑者は9月19日、ホワイトハウスのフェンスを乗り越え、警備員を振り切って建物内に侵入、大統領一家の居住部分にまで駆け込んだ。
報告書によると、侵入を知らせるはずの警報や無線装置はうまく作動せず、ゴンザレス容疑者は茂みに逃げ込んで逃走。警察犬担当の警備員は、ワゴン車の中で私物の携帯電話で話し中で、無線受信のためのイヤホンをはめていなかったため対応が遅れた。同容疑者が茂みの方に走るのを見て警察犬に追いかけさせたが、間に合わなかった。
ゴンザレス容疑者は建物前にいた警備員も振り切って内部に侵入し、施錠されていなかった扉に突進。扉の内側にいた女性警備員ははずみで仰向けに倒れて容疑者を取り押さえられず、「警棒を抜こうとして誤って懐中電灯をつかんでしまった」。ようやく銃を抜いたがゴンザレス容疑者は警告を無視して本館1階の奥にあるイーストルームに侵入。そこでようやく取り押さえられたという。
報告書では、シークレットサービスが使っている通信システムの技術的問題やインフラの老朽化などが原因で情報が一部の警備員に行き渡らなかった問題なども挙げ、シークレットサービスの研修にも不備があったと指摘している。