エボラ熱から回復の米医師が再びリベリアへ
(CNN) 昨年8月に西アフリカのリベリアでエボラ出血熱を発病、米国に帰国して治療を受け、回復したリック・サクラ医師が15日、医療活動に復帰するためリベリアに向かった。
サクラ医師にとってリベリアは「第2の故郷」。1995~2010年にかけてこの地で暮らし、その後も10回以上、リベリアと米国を行き来してきた。だが今回は、これまでとは違う思いがあるという。
「リベリアの病棟で3日間を過ごしてみて、病気の人々のことを本当に気の毒だと思えるようになった」とサクラ医師は述べた。
患者にとってリベリアの病院の環境は厳しいとサクラ医師は言う。薄くて寝心地の悪いマットレスに、消毒薬の臭いが鼻をつく。医師も看護師も防護服を着ていて、患者の様子を見に来るのは3時間に1回。何か頼みたくても待つしかない。
「患者は長い時間、ひとりぼっちのままだ」とサクラ医師は言う。こうした体験により、医師として成長できたのではないかと彼は言う。「患者にどんな事情があり、どのように感じ、なぜ気力を失うのかといったことについて、以前よりも敏感になれると思う」
米国人としては3人目のエボラ患者となったサクラ医師は、ネブラスカ医療センターで治療を受けた。ここでエボラ熱に感染して回復した別の医師の血液を輸血され、開発中の新薬を投与されて回復。9月25日に退院した。
免疫ができたため、現在の流行に関しては感染の心配はない。もっともリベリアではエボラ熱患者の数が大きく減っており、戻ってもエボラ熱専門病棟で働く必要はなく、所属するキリスト教系団体が運営する病院で新患の診断にあたるという。