米西部に未曽有の干ばつの恐れ NASAが警告
NASAの気象科学者、ベン・クック氏は「20~30年、あるいは40年という長期の干ばつになるだろう」と指摘する。NASAの試算によれば、数十年に及ぶ干ばつが1回以上起きる確率は80%に上るという。
たとえこの先、温室効果ガスの排出量がやや減少したとしても、干ばつは現在よりはるかに悪化する見通しだ。
米国では1930年代から記録的な干ばつが約10年間続き、「ダストボウル」と呼ばれる砂嵐が吹き荒れた。だが今後予想される干ばつの規模は、これをはるかに上回る。
13世紀に南西部を襲った30年間に及ぶ大干ばつでは、水を求める先住民が村を捨て、東部や南部へ移住したと伝えられている。1100年から約200年間は地球全体が温暖期を迎えていたとされるが、現在の世界の平均気温はすでにその時期を超えていると、同研究は指摘する。
米南西部の一部では人口が増加傾向にあることから、水不足の深刻さに拍車がかかる事態も懸念されている。