米当局が「妊娠ツアー」摘発、米国籍目的の中国人が利用か
ロサンゼルス(CNN) 米連邦当局は3日、カリフォルニア州南部で外国人女性の出産に利用されている、いわゆる「マタニティーホテル」の一斉捜索を行った。こうした外国人女性の目的は、米国籍の獲得のみにあると見ている。
捜索を受けたのは、同州ロサンゼルス、オレンジ、サンバーナーディーノの各郡にある集合住宅など30カ所あまり。「出産ツアー」の業者が外国籍の妊婦を宿泊させている疑いが持たれている。
米移民税関捜査局(ICE)によれば、利用者は主に中国人女性で、宿泊費と交通費、食費込みで1万5000~5万ドル(約180万~600万円)を支払って滞在しているという。
裁判所に提出された書面によると、当局は不法入国者を滞在させた容疑や、ビザなどの不正使用容疑、脱税の容疑などで捜査を進めている。
これまでの調べで、妊婦たちは代金を支払って米国に滞在し、出産していると見られることが判明。生まれた子どもは米国の社会保障番号とパスポートが取得できると約束され、女性たちは生まれた子どもを連れて帰国しているという。
業者はインターネットやソーシャルメディアを使ってツアーを宣伝していると見られ、カリフォルニア州のある業者は中国語で宣伝を行っていた。
CNNMoneyによれば、生まれてくる子どもに米国籍を取得させようと米国に短期滞在して出産する中国人女性は増加している。関心の高まりに伴って「出産ツーリズム」業界も成長。中国国営メディアによると、米国で出産した中国人女性は2008年の4200人から、2012年には2倍超の約1万人に増えた。