ISIS参加を企てる米国人が急増、その背景を探る
米テロ対策当局者は「中東に渡航した者は皆、米国内の知人に連絡を取る手段を持っている」と指摘。欧州でも同じ現象が見られ、多くの若者がISISに引き込まれている。
ISISは、アルカイダと比べて共鳴者を勧誘しやすい状況にある。10年前、アルカイダへの参加志望者は、アフガニスタンやパキスタンの奥地にある訓練キャンプにたどり着かねばならず、それほどの困難を冒してまで合流する西洋人は少なかった。
一方、今日のISISの場合、トルコ経由で支配領域に到着することができ、はるかに渡航が容易だ。イスタンブールの空港はアクセスが良いほか、トルコはインフラ整備が進んでおり、短時間で国境地帯に到着することができる。そこから密航業者の助けを借りてシリアに入国するという経路だ。
こうしたネットワークは非公式のものであり渡航も容易なことから、捜査当局としては対処が難しい。米テロ対策当局者は、友人同士のつながりを介した採用方法について「捕捉するのが難しい」と認める。