米旅客機が緊急着陸 乗客は凍える兵舎で一夜明かす
ベッドはあってもタオルや毛布は配られず、ハーパーさんが割り当てられた兵舎には暖房もなかった。「朝食が出るまでの数時間、ひどく寒い思いをした」とハーパーさん。この日は特に寒さが厳しく、気温は零度近くにまで冷え込んだ。衣類を機内預け荷物に入れていたため軽装のまま一夜を過ごす羽目になった乗客も多かった。
ただ、暖房や毛布はなくても、インターネット接続だけは利用できたらしい。乗客のエリカ・キオガンさんは、「グースベイ陸軍基地での生活は、ユナイテッド航空のおかげで夢のよう」と皮肉たっぷりの一文をツイッターに投稿した。
翌朝になると古びたスクールバスが迎えに来て、乗客を基地内の食堂に案内した。「ユナイテッド航空の担当者は誰もそこに来ておらず、次にどうなるかも説明してもらえなかった。みんなひどく失望した」とハーパーさんは言う。
ユナイテッド航空の公式ツイッターに投稿された内容から判断すると、乗員は全員がホテルに宿泊していたらしい。投稿には「飛行継続のために乗員は休息を取る必要があります」と記されていた。
ユナイテッドの広報には何度も取材を試みたが連絡は取れなかった。ただ短いコメントのみが送られてきて、同機は「メンテナンス問題」のためにグースベイに緊急着陸し、乗客には宿泊先と食事を提供したと説明。運航に支障が出たことへの謝罪と、乗客には払い戻しを行うという説明も添えられていた。
乗客はグースベイから米ニュージャージー州のニューアーク空港に到着し、同空港で13日夜、ロンドン行きの便に乗り換えた。
ようやくイングランドの自宅に戻ったハーパーさんは14日、「今のところ航空運賃の払い戻しは受けていない」と語った。