TPA関連法案を否決、民主党議員が反対 米下院
ワシントン(CNN) 米下院は12日、環太平洋経済連携協定(TPP)合意の前提となる「貿易促進権限(TPA)」法案に関連し、これとセットで提出されていた「貿易調整支援(TAA)」法案を賛成126票、反対302票で否決した。TPA法案はわずかに賛成票が上回ったものの、TAA法案の否決により成立の見通しが立っていない。
下院には12日朝、オバマ大統領も訪れ支持を呼びかけた。だが、民主党員議員が、貿易自由化で職を失った人を支援するTAA法案に反対。一連の法案の要であり、大統領に貿易交渉を一任するTPA法案は僅差で可決されたものの、下院の手続き規則上、TAA法案が可決されない限りTPA法案は大統領に送付されない。
ただ、下院の共和党指導層は、16日にも再び採決を実施することを要求。オバマ大統領はこの間、民主党議員の説得を行うほか、共和党議員も票のとりまとめに動くとみられる。
オバマ大統領は12日午後、声明を出し、TPA法案が可決されたことを称賛。TPPの締結で「世界の経済ルールを定めるのが中国のような国ではなく米国であることが確かになる」「それを邪魔するするのは、米国労働者を現状維持のままに置き、彼らの成功を一層困難にすることに他ならない」と述べた。