米軍がソマリア空爆 オバマ大統領のケニア訪問迫る
ワシントン(CNN) オバマ米大統領は間もなく、父の故国であるケニア訪問へ出発する。この訪問を前に米国防総省当局者は、米軍が隣国ソマリアで国際テロ組織アルカイダ系武装勢力「シャバブ」の拠点に対し、先週だけで数回にわたる空爆を密かに行っていたことを明らかにした。
ケニアはテロの温床でもあり、米当局者は今回の空爆について、ケニア軍に対する攻撃が差し迫っているとの情報をつかんだためと説明している。しかし米シンクタンク、ランド研究所の専門家セス・ジョーンズ氏は、オバマ大統領を狙ったテロを牽制(けんせい)する狙いがあったと分析する。
米当局は、シャバブがオバマ大統領に近付くことは不可能と見ている。このため大統領のケニア滞在中に別の標的を狙ったテロを起こす可能性が大きいとジョーンズ氏は予想、「大統領のための警備態勢は極めて厳重になる見通しだ。このためシャバブは狙いやすい標的に目を付ける公算が大きい」と指摘した。
シャバブはソマリアを拠点とする武装勢力で、過去にはケニアのショッピングモールや学校に対する襲撃事件も起こしている。オバマ大統領の訪問に合わせてそうした場所が狙われる可能性もある。
米当局者によれば、シャバブのメンバーがソーシャルメディアやインターネットで交わす会話はここ数日で、オバマ大統領のケニア訪問への言及が増えているという。
米大統領専用機の到着と出発に合わせてナイロビの上空が飛行禁止になる日時など、大統領のケニア訪問に関する航空情報も一部が公表されている。
ただ米政府関係者は、大統領の身を危険にさらすような情報は公表されていないと強調した。