黒人男性射殺の白人警官、殺人罪で起訴 米オハイオ州
(CNN) 米オハイオ州で黒人男性が交通違反取り締まりの警察官に撃たれて死亡した事件で、同州ハミルトン郡の検察は、シンシナティ大学の警察官だったレイ・テンシン容疑者(25)を29日に殺人罪で起訴したと発表した。有罪になれば終身刑を言い渡される可能性もある。
テンシン被告は7月19日、ナンバープレートが付いていなかったとしてサムエル・ダボースさん(43)の車を停車させ、ダボースさんを銃で撃って死亡させた。ダボースさんは黒人、テンシン被告は白人だ。
テンシン被告は調べに対し、ダボースさんの車にひかれそうになったため、やむなく発砲したと主張。弁護側も記者団に対し、テンシン被告はダボースさんの車に引きずられて命の危険を感じたと強調した。
これに対して検察側は、現場を映したボディーカメラの映像はテンシン被告側の証言とは食い違うと指摘し、ダボースさんは車をゆっくり発進させたにすぎないと話している。ジョー・ディターズ検察官は「30年以上この仕事をしているが、警官のこれほど愚かな行為は見たことがない」と批判した。
テンシン被告は警察官の職を解かれ、当局に出頭。30日に裁判所に出廷する。
米国では黒人男性が白人警官に射殺される事件が各地で相次ぎ、全米で抗議の声が巻き起こっている。