クリントン前国務長官が存在感 民主党候補者討論会
(CNN) 来年行われる米大統領選に向け、民主党からの指名を目指す候補者5人は13日、ネバダ州ラスベガスでテレビ討論会に参加し、議論を戦わせた。
民主党候補のなかで1番手とみられているヒラリー・クリントン前国務長官は、民主党候補者による最初の討論会で、落ち着き、洗練された振る舞いを見せた。討論会には、そのほか、バーニー・サンダース上院議員(バーモント州)とマーチン・オマリー前メリーランド州知事、ジム・ウェッブ元上院議員(バージニア州)、リンカーン・チェイフィー前ロードアイランド州知事が参加した。一部で大統領選出馬の観測が出ていたジョー・バイデン副大統領は討論会に参加しなかった。
民主党の各候補者はこれまで、それぞれに選挙活動を進めていたが、今回の討論会で選挙戦は大きな転機を迎えるかもしれない。
クリントン氏は討論会で、自分には変革を実現するためのビジョンと経験があると強調。米国が厳しいリセッション(景気後退)から持ち直すなか、米国の回復力と自身の諦めない姿勢を比べて、「問題は打ち負かされたかどうかではなく、再び立ち上がるかどうかだ」と語った。
クリントン氏はまた、環太平洋経済連携協定(TPP)や米・カナダを結ぶ石油パイプライン「キーストーンXL」の建設、同性婚などの論点について、政治情勢によって立ち位置を変えるといった批判に対しても「非常に一貫している」と反論。「常に同じ価値や原則のために戦ってきたが、大統領を目指す私たちも含めた多くの人々と同じように、私も新しい情報を吸収する。世界で何が起きているのか注視している」と述べた。
今回の討論会で、クリントン氏は存在感を示したが、指名を勝ち取った場合でも、国務長官時代に私用のメールを利用していた問題や、2012年に起きたリビア・ベンガジの米領事館襲撃、オバマ政権下での幾つかの外交的失策などについて、共和党候補者からのより厳しい追及を受けることになるだろう。