米国の中のムスリム その真実の姿とは
ただし、思われているほど、教条主義でもない
そうしたイメージの多くはイスラム教原理主義者やコーランの厳格な解釈から生まれた。しかし、米国のイスラム教徒の大部分は違う。調査機関ピュー・リサーチ・センターの調査によれば、米国のイスラム教徒の57%は、イスラム教の教えには1つ以上の解釈の仕方があると考えている。また同様の割合が、他の多くの宗教についても、人々を「永遠の生」へと導いてくれるものだとの認識を示している。
テロに関わったイスラム教徒もいる
米同時多発テロが起きた2001年から2014年まで、109人のイスラム教徒の米国人が米国を標的として攻撃を行った。同時期に、イスラム教徒の米国人によるテロで50人が死亡した。一方で、これ以外の多数の死者が出た銃乱射事件などにより、2014年だけで136人の死者が出ている。
しかし、イスラム教徒はテロに反対している
国内外でテロが発生すると決まって、「ムスリムはこれを糾弾しないのか?」という疑問の声が繰り返し聞かれる。実際のところ、米国内のムスリムはテロを非難しており、その意思を行動で示すケースも多い。デューク大学の調査によれば、米国のムスリムのコミュニティーによって法執行機関に通報されて見つかったテロの容疑者や実行犯は、連邦政府の捜査によって発見された人数よりも多かった。また、調査機関ピュー・リサーチ・センターによれば、イスラム過激派に対する宗教界指導者の非難が十分ではないと答える割合は、米国のイスラム教徒の約半分に上るという。