オバマ大統領、トランプ氏を激しく攻撃 イスラム教巡る発言などで

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オバマ大統領、トランプ氏を激しく攻撃

ワシントン(CNN) 米フロリダ州のナイトクラブで起きた銃乱射事件を受けて、大統領選の共和党候補に確定している実業家ドナルド・トランプ氏がオバマ政権や民主党候補のヒラリー・クリントン前国務長官を批判したのに対し、オバマ大統領は14日、異例の激しい言葉で反撃した。

オバマ大統領はこの日、財務省で会合に出席した後、その場から生中継で演説した。現役大統領が後継候補の1人を「米国の憲法や政治的規範に適合しない人物」として否定するという、史上まれにみる展開になった。

トランプ氏はかねてオバマ大統領の出生や信仰に疑問を投げ掛け、「真の米国人ではない」「隠れイスラム教徒だ」などと攻撃してきた。13日の演説でも、大統領が銃乱射事件を「イスラム過激派」の犯行と呼ばなかったのは「あやしい」などと発言していた。

これに対して大統領は、トランプ氏の過激な発想こそが米国の成り立ちそのものを脅かしていると反撃し、同氏の考える米国像は「我々の求める米国ではない。民主主義の理想を反映していないし、米国をより大きな危険にさらすことになる」と力説した。

またトランプ氏によるイスラム教徒の入国禁止の提案と、米国政府が自国の国民を不当に扱った「恥ずべき」歴史には類似点があるとも指摘。「我々が米国本来の価値観を捨ててしまえば、国内や世界中の人々がもっと簡単に過激化されてしまうだけでなく、我々が守ろうとしているものを逆に裏切ることになる」と警告した。

大統領はトランプ氏の「危険な発想」と「いい加減な発言」を批判し、不注意な発言は過激思想に傾く恐れがあるイスラム教徒の背中を押し、過激派組織「イラク・シリア・イスラム国(ISIS)」の下へ送り込むことになると語った。

「イスラム過激派のテロ」という言葉を使わないことでテロに加勢しているとの批判に対しては「その呼び名を使うことで何が達成でき、何が変わるというのか」「ISISが米国人を殺害しようとする意図をそぐことができるか。同盟国を増やすことができるか。軍事戦略に役立つだろうか。どれも違うというのが答えだ」「脅威を別の名前で呼んでも、その脅威はなくならない」と反論した。

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